コラム

「労働基準監督署」とは・・・

最近何かと話題となる「労働基準監督署」、ただ具体的にどういうものか知っておられる方は意外に少ないのではないでしょうか。この「労基署」について簡単にお話したいと思います。

■役割とは
役割を簡単にいうと「会社に労働基準法その他諸法令を遵守させること」となります。

■権限とは ~逮捕もできる!~
「労働基準監督官(国家公務員)」が行うのは主には次の行為となります。
①調査(立ち入り調査により事前通知なく行うこともできる)により賃金台帳、出勤簿等の書類の調査を行い、法違反等があれば指導及び是正勧告等を行います。
②監督官は「特別司法警察員の職員」であり犯罪捜査及び逮捕する権限もあります。
※「未払残業代が発生しているため過去2年間を支払いなさい」と是正勧告を受けたという話はよくありますがもしそれに従わなかったらどうなるのか・・・労働基準監督署の判断によりますが刑罰を科される可能性があります。ただし、強制的に未払賃金を支払わせるまでの権限はないということになります。

■調査の種類
①定期監督
定期的に行われる調査で基本的に通知が届き、必要書類を持参し、事業所が監督署に出向くことになります。
②申告監督
労働者からの申告による調査ですので、問題があるという前提で調査が行われます。原則通知なしの立ち入り調査となります。
※もちろん②のほうが厳しく調査されます。従業員への聞き込みや準備不足の書類等を調査されますので一定の覚悟が必要です。最近この②がとても増えています。従業員本人だけでなくその家族からの申告も多いようです。しかも匿名となりますので、退職者だけでなく在職者ということも大いに考えられます。長時間労働の未払い賃金発生に相まって今後さらに増えるように思います。
③災害時監督
労働災害が発生した際に、必要とされる場合(重大な事故等)原因究明や再発防止の指導を行うための調査となります。
④再監督
是正勧告を受けた際、違反が是正されているか確認するため、また是正報告書を提出しなかった場合に再度おこなう調査となります。

■労働基準監督署を必要以上に恐れる必要はないと思います。100点満点の会社のほうがめずらしいと感じますので、指摘されたことに対して是正していくという前向きな姿勢を見せれば逮捕等強硬的な対応はまずしないと思います。ただし、申告による調査等については対応次第では、そのほかの個別の裁判、労働組合の団体交渉等につながることを忘れてはいけません。特に「警告」ととらえ真剣に取り組む必要があるということになります。                                             社会保険労務士 岡本 芳幸

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