事務所便り

令和4年8月号

インターン学生情報、採用選考での活用が可能に

■「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」の改正

 これまで採用活動前の学生のインターン情報については「広報活動・採用選考活動に使用できない」ルールになっていましたが、一定の条件を満たす場合は、企業が採用選考時に利用できるようになりました(「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」文科省・厚労省・経産省、令和4年6月13日改正)。

■ インターンシップとは?

 上記、基本的考え方において「学生がその仕事に就く能力が自らに備わっているかどうか(自らがその仕事で通用するかどうか)を見極めることを目的に、自らの専攻を含む関心分野や将来のキャリアに関連した就業体験(企業の実務を経験すること)を行う活動(ただし、学生の学習段階に応じて具体的内容は異なる)」と定義されています。

■ 改正後

 基本的考え方の改正により、令和6年度以降に卒業・修了予定の大学生と大学院生の就職・採用活動において、令和5年度以降に実施のインターンシップで得られた学生情報について、採用活動開始後に活用できるようになります。今後、インターンシップの実施を検討する企業も増えていくことが予想され、また、既に実施している企業においても、採用活動に利用することができるようになります。

■ 留意点

 とはいえ、上記ルールでは、インターンシップは「就職・採用活動そのものではないので、インターンシップと称して就職・採用活動開始時期前に就職・採用活動そのものが行われることがないよう留意すること」や、募集要項等に一定の情報開示(実施時期・期間などの項目に関する情報を記載し、HP等で公表する)が求められるなどの要件が定められており、実務担当者は注意が必要です。

【厚生労働省ほか「インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方」(令和4年6月13日改正)】https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/000949684.pdf



「シニアの働き方」の可能性が広がる!企業も知っておきたい「協同労働」

■ 関心高まる「協同労働」という働き方

 この10月、労働者協同組合法が施行され、労働者協同組合に法人格が認められるようになることを背景に、「協同労働」という働き方への関心が高まっています。
 協同労働は、地域の課題解決を目的に、労働者協同組合の組合員が「出資」・「経営」・「労働」のすべてを担って働く働き方です。シニアの活躍にもつながるものと期待されており、シニアに対する創業支援措置を講ずることが努力義務とされるなか、企業としても押さえておきたいトピックといえます。

■ シニアの理想の働き方を実現する「協同労働」

 協同労働においては、働く人が労働者協同組合に出資をして組合員となり、組合員それぞれの意見を反映して組合の事業を行い、組合員みずからが事業に携わります。組合員が主体的に働くことができるため、就労上の制約が生じることも多いシニアが、制約に柔軟に対応しつつ、自身の技術・経験を活かして働くことが可能となります。
 また、地域課題の解決を事業目的とする協同労働は、地域コミュニティとの関わりや地域社会への貢献を重視する、シニアの就労指向に沿った働き方だと考えられます。

■ 企業と「協同労働」の接点

 定年前後の働き方について、企業に雇われる働き方でなく、フリーランスや自営業を希望するシニアは比較的多く存在しています。しかし、独立・起業のきっかけや方法が見つからずに実現できない方は多いようです。この点、協同労働は、組合員として集まったメンバーが協力し合って経営を行うものであるため、1人で事業を立ち上げて経営することに比べ、ハードルは下がります。
 将来の創業を見据えた準備等のために、従業員の副業・兼業を認め支援する企業も増えてきました。ここに協同労働を加え、活動を認めることも、シニアへの創業支援の一環として、意義のあることといえるでしょう。

弊所よりひと言

 令和4年10月から被保険者100名超の会社においては、パート等について社会保険適用拡大となることはご存じかもしれませんが、同時に士業の個人事務所についても、常時使用労働者が5名以上の場合、強制適用事業所になります。(なお、弊所のような法人の士業事務所は、従来より士業先生一人だけでも強制適用事務所です。)
 見直しの背景として、以下のような点です。
①事務処理能力が期待できること
②全事業所に占める個人事務所の割合が高いこと(特に、常用雇用者数5人以上の個人事務所の割合が他の業種に比して高いことから、被用者として働きながら非適用となっている方が多いと見込まれる。)
③制度上、法人化に一定の制約条件があるか、そもそも法人化が不可能であることから、他の業種であれば法人化されているであろう規模でも個人事務所に留まっている割合が高いこと
 適用対象となる士業は、弁護士、公認会計士、司法書士、土地家屋調査士、行政書士、海事代理士、税理士、社会保険労務士及び弁理士等です。
 確かに、大手弁護士事務所で弁護士数が百人以上の規模でも法人化されていない事務所は、これまで強制適用ではありませんでしたので、少しバランスを欠いていると個人的には感じていたので、是正がされることになります。
 なお、法改正により、税理士事務所で税理士国保に加入しておられる常時5人以上の職員がおられる場合は、一般事業所における「健康保険」+「厚生年金保険」以外に、「税理士国保」+「厚生年金保険」という加入もできます。ただし、一旦「健康保険」に加入した場合は、「税理士国保」+「厚生年金保険」の選択はできませんので、事前に税理士国保に確認したうえで手続きを進めましょう。

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