事務所便り

令和3年12月号

改正育児介護休業法の施行に向けて、準備を始めましょう

 

◆ 大きく変わる育児休業制度

 来年4月1日から改正育児介護休業法が施行され、「パパ育休」が新設されるほか、労働者に対する会社の育児休業制度に関する情報提供、育児休業を取得するか否かの意向確認が必要になったり、育児休業の分割取得ができるようになったりします。
 当然、育児介護休業規程の見直しや制度利用に関する社内書式の整備が必要となりますが、それだけではありません。

◆ 労使協定の締結も必要

 現在は雇用期間によっては育児休業が取得対象外となっているパートタイマー等について、改正により取得要件が緩和されます。そのため、引き続き雇用された期間が1年未満の人を取得対象とするか否か、労使協定を締結して決定する必要があります。

◆ 会社の制度を周知する資料の作成等も必要

 上記のとおり、改正法施行後は、労働者本人またはその配偶者から妊娠・出産等の申出があった場合、制度に関する情報提供や育児休業取得に関する意向確認が事業主の義務とされます。情報提供は、規程を渡すだけでは不十分で、育児休業の申出先や育児休業給付、休業期間中の社会保険料の取扱いに関する情報の提供も必要です。
 資料が既に用意されている場合は、所定の要件を満たしているかをチェックすれば済みますが、新たに作成する場合は、会社がどのような制度を設けているのか、明文化されていないものの見落としはないかなど、確認して作成する必要もあります。

◆ 厚生労働省が規定例等を公開

 11月5日、厚生労働省より今回の改正に対応した規定例や書式例が示されました。これらを参考に、自社に合った内容にカスタマイズしながら余裕を持って準備を進めましょう。

【厚生労働省「育児・介護休業法について」】
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html



新入社員の離職率とコロナ後の人材確保

◆ 就職後3年以内の離職率は新規高卒者で約4割、新規大卒者で約3割

 昨年初めからのコロナ禍により、採用活動についても例年と異なる方針をとってきた企業も多いところですが、長期的には人手不足が叫ばれるなか、新入社員の離職率については現在どのような状況なのでしょうか。
 厚生労働省が公表した「新規学卒就職者の離職状況」によれば、令和2年度における新規学卒就職者の離職率は、学歴別、卒業年別とも、例年に比べて低下し、新規学卒就職者(平成30年3月卒業者)の就職後3年以内の離職率は新規高卒就職者で約4割(36.9%)、新規大卒就職者で約3割(31.2%)となっているそうです。
 離職率の高い業界としては、宿泊業・飲食サービス業(高卒61.1%、大卒51.5%)、生活関連サービス業・娯楽業 (高卒56.9%、大卒46.5%)、教育・学習支援業(高卒50.1%、大卒45.6%)、小売業(高卒47.8%、大卒37.4%)、医療、福祉(高卒46.2%、大卒38.6%)が挙げられています。

◆ 特に中小企業では離職率の低下に配慮が必要

 同調査では、事業所規模が小さくなるほど離職率が高くなることも示されており、30人未満規模の事業所の離職率は、1,000人以上規模の事業所の離職率と比べて2倍ものひらきがあります。特に多くの中小企業においては、採用活動における人手確保の困難さを踏まえると、離職率の低下は重要なテーマといえます。

◆ オンライン化の進行と採用活動の見直し

コロナ禍ではオンライン面接、WEBセミナーなど、採用活動のオンライン化も急速に進みました。これからは、今の時代に対応した採用活動の見直しも含めて、人材確保への長期的な視点での対策が必要になっていくでしょう。

【厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況を公表します」】
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00004.html

弊所よりひと言

【弊所よりひと言】
 新型コロナウィルスの感染者数も10月以降、急速に減りようやく経済も少しずつですが正常時に戻りつつあると感じております。先日、1年以上行っていなかった居酒屋に行きました。久しぶりに外で飲むビールが美味しいこと、楽しい時間を過ごすことができました。さて、新型コロナウィルス感染症の影響により、休業せざるを得ない会社には、これまで「雇用調整助成金」が特例で申請できました。政府は経済状況も徐々に正常化しているため雇用調整助成金の特例制度は現在の予定では、令和4年3月末で終了させるようです。
 話は変わりますが、弊所では例年10月末ごろから年末調整の準備やチェックなど多忙な時期となります。年末調整の資料の送付、返却をいただき、書類をチェックして確認や不足書類の依頼をしています。本年からは、年末調整業務の効率化を目指し、弊所及び数社分について、「SmartHR」(スマートHR)というクラウド人事労務ソフトで実施しております。実際に使ってみての感想は、準備がいらないこと、誰がどこまで進んでいるのか進捗確認がリアルタイムでわかること、記入漏れがないため、(記入していない場合は、システム側で入力するように指示されます)確認作業が減ることで大きなメリットを感じました。また、年末調整に詳しくない人にとっても質問形式で回答すれば、年末調整の書類提出が完了するため、わかりやすいところが良いと思います。(したがってどんどん利用者が増えているのでしょう。)若干、ランニングコストが高いところがネックですが、30名未満の会社では一部機能の利用制限がありますが、無料で利用できます。
 人事労務freeeも年末調整において同様の機能がございますので、クラウド型の労務管理ソフトにご興味がある方は、ご相談ください。

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