女性社員が第1子の育児休業(育休)を取得中に第2子を妊娠された場合、お休みの切り替えや給付金の手続きが必要になります。
法律上、第2子出産前のお休みの取り方には「2つの選択肢」があり、それぞれ受け取れる給付金や、手続き上のメリット・デメリット(リスク)が異なりますので、制度の正確な仕組みをご案内いたします。
お休みには「産前休業(産休・出産予定日6週間前から)」、「産後休業(産休・出産の翌日から8週間)」、「育児休業(育休)」の3種類があります。
ここで最も重要なポイントは、「産前休業は、本人が会社に『請求』することで初めてスタートするお休みである」ということです。一方で、産後休業は法律で働くことが禁止されている「強制的」なお休みです。この法律の仕組みにより、出産前のお休みの取り方には以下の「パターンA」と「パターンB」が存在します。
【パターンA】第2子の「産前休業」を請求する
本人が産前休業を請求し、産前休業がスタートする前日をもって第1子の育休を終了させる方法です。
●もらえるお金: 産前休業に入った日からは、健康保険から「出産手当金(賃金の約67%)」が支給されます。第1子の育休給付金(休業開始から半年経過後は原則50%)よりも給付率が高くなるため、手取り額を確保しやすいのが特徴です。
●メリット: 出産予定日をベースに事前にお休みの切り替え手続きができるため、給付金の申請や社会保険料の免除手続きがスムーズに行われ、お金の振り込み遅延が起こりにくいのが最大のメリットです。
【パターンB】「産前休業」を請求せず、第1子の育休を継続する(※併給のケース)
本人が産前休業を請求しない場合、第1子の育休は「第2子が出産した日」まで継続します。
●もらえるお金: 育休が続くため、ハローワークから「第1子の育休給付金(50%)」が支給されます。さらに、産前42日間は「労務に服していない(働いていない)」状態となるため、健康保険から「出産手当金(約67%)」も同時に支給(併給)される可能性があります。
●メリット: 条件を満たせば、出産前42日間について「育休給付金+出産手当金」の両方を受け取れる可能性があります。
加入している共済組合や健康保険組合の規約や独自の判断により、「育休中は出産手当金を支給しない」、あるいは「育休給付金との差額しか支給しない」と判断されるケースがありますので、健康保険組合等の場合は、事前に確認することをお勧めします。
65歳を境に、もらえる手当の種類と日数が大きく変わります。
《65歳未満での退職》
手当の名称………… 基本手当(いわゆる失業保険)
もらえる日数……… 90日〜150日(自己都合の場合)
受給方法…………… 4週間に一度、分割で受給
《65歳以降での退職》
手当の名称………… 高年齢求職者給付金
もらえる日数……… 一律 50日(加入期間1年以上)
受給方法…………… 一括で受給
ここがポイント:65歳以降に退職すると、どれだけ長く勤めていても最大50日分しかもらえません。一方、65歳前に辞めれば、勤続年数に応じて最大150日分(自己都合でも120日〜150日程度になることが多い)受給できるため、金額に大きな差が出ます。
• 65歳未満で退職し、基本手当を受給する場合:
原則として、基本手当を受けている期間、特別支給の老齢厚生年金(65歳前にもらえる年金)は全額支給停止となります。
• 65歳以降に退職し、高年齢求職者給付金を受給する場合:
こちらは「一時金」扱いのため、年金との調整(停止)は一切ありません。 年金も100%もらいながら、手当も丸々もらえます。
以上のとおり、雇用保険は65歳未満で退職した方が多くの日数分を受給できる可能性がある一方で、65歳未満で退職し雇用保険の基本手当を受給している場合は、65歳前にもらえる年金は支給停止になります。ただし、65歳前にもらえる特別支給の老齢厚生年金をもらえる方は今後男性はおりませんので、一部の方のみであり、受給できる方であっても基本手当の受給する時期を65歳以降とした場合は、併給調整はされませんので、金銭上は一番得になるケースとなります。ただし、個々の事情によっては異なる結果になることもありますので、専門家や各役所でご確認ください。
先日、社会保険労務士に興味のある大学3年生が弊所にインターン生で来られました。
社会保険労務士の資格に興味があり、どんな仕事をしていているのかや、将来の展望などについてのご質問を受ける機会がありました。AIが進化していくと単純作業はなくなっていくことは想像できますが、AIの進化が驚異的で人間に残されている仕事は何かということを改めて考えさせられます。
社会保険労務士は、クライアントが気づかない問題点について、労務の専門家として指摘、改善の提案をし、依頼者に寄り添っていけばまだまだ生きる道はあると信じて、仕事に取り組んでいきたいと思いました。
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