事務所便り

令和6年4月号

労働基準監督署の調査とは?

■ 調査の種類

 労働基準監督署は、労働者の権利を保護し、労働法や労働基準に違反している場合に是正を行うために、さまざまな種類の調査を実施します。一般的な調査の種類には以下のようなものがあります。

 ①  定期監督 
 最も一般的な調査で厚生労働省や各都道府県の労働局の各年度の監督計画に基づいて、任意に調査対象を選定し法令全般について調査をします。コロナ禍ではほとんど実施していませんでしたが、昨年あたりから実施されています。近年では、長時間労働の上限規制が法制化されたため、長時間労働になりやすい会社などが調査対象となる可能性が高いようです。
 調査方法は、予告なく突然訪問してくることもありますが、事前に調査日を指定してから会社へ訪問または労働基準監督署へ呼び出して調査する場合が多いです。

 ②  申告調査
 労働者やその代理人等が訴えた苦情や報告を受けて、法令違反等がないか確認するために労働基準監督官が実施する調査です。
 調査方法は、申告調査であることを最初から明らかにして実施する場合もあれば、定期監督のようにして申告調査と悟られないように実施する場合もあります。労働者が申告してきた内容や労働者の不利益など考慮して調査方法を変えているものと思われます。

 ③  災害調査
 重大な労働災害が発生した場合や軽度ではあるが繰り返し同様の労働災害が発生している場合に実施される調査です。労働基準監督官はその原因や背景を調査し、法令違反等がないか確認します。また再発防止のため会社に指導を行います。
 また、労働災害を発生させる会社は、他の法令違反をしていることも多いため災害調査にあわせて「定期調査」を実施することもあります。


■ 労働基準監督官とは?

 労働基準監督官は、会社が法令違反をしていないかを調査する権限を有しており、調査に協力しないような場合や証拠を押さえるために強制的に調査を実施することもあります。
 また、司法警察官として逮捕、送検することができる権限もあります。(逮捕されることはほとんどありません。)


■ 調査項目

定期調査等で主に調査される項目は以下のとおりです。

 ①  労働時間
    ・タイムカード等の出勤記録が適切に記録されているか。
    ・時間外労働や休日労働が36協定の範囲内か。
    ・変形労働時間制の運用が適切か。
    ・管理監督者の要件を満たしているか。
    ・時間外労働、休日労働及び深夜労働の時間数(端数切捨て)は適切か。
 ②  賃金
    ・最低賃金違反はないか。
    ・時間外労働、休日労働及び深夜労働の計算方法(単価設定等)は適切か。
    ・賃金台帳に労働時間等必要な項目を記載しているか。
 ③  就業規則
    ・就業規則は作成されているか。また届出されているか。
    ・就業規則は法改正に対応して変更しているか。
    ・運用と実態があっているのか。
    ・労働者に周知しているのか。
 ④  労働契約書・労働条件通知書
    ・採用時に労働条件を通知しているか。
    ・通知内容に漏れはないか。
 ⑤  年次有給休暇
    ・年次有給休暇の管理簿を作成しているか。
    ・有休の付与は適切か。
    ・10日以上発生している者に5日以上有休を取得させているか。
 ⑥  健康診断
    ・健康診断を年1回実施しているか。
    ・健康診断の異常の所見がある場合に医師の意見を聴取しているか。
    ・健康診断結果報告を提出しているか。
 ⑦  安全衛生
    ・衛生管理者及び産業医を選任しているか。(50人以上の場合)
    ・安全衛生委員会の実施状況は適切か。

 これでもすべての項目ではありません。日頃より法改正に対応していくことや自主的にチェックし労務管理を適切に行いましょう。
 ちなみに時間外労働・休日労働に関する協定届(36協定届)を提出せずに、1日8時間、週40時間を超えて残業させた場合労働基準法違反になります。一般的には、労働基準監督官より行政指導(是正勧告)を受けて、36協定を提出することで是正できますが、労働者とトラブルになっている場合などで労働者より告発を受けていた場合には、1日だけの残業でも労働基準法違反として送検されることがありますので、軽く考えずに日頃から自社の労務管理について関心をもって対応していくことが必要です。


弊所よりひと言

 令和6年4月から雇用契約締結時の労働条件明示ルールが変更されます。
 令和5年6月号及び令和6年1月号でご案内申し上げましたが、正直あまり浸透していないようです (´;ω;`)。人の採用が難しくなり、会社は選ぶ側から選ばれる側になっているときに、求人方法から採用時の明示方法まで変わるのでこの法改正に対応していない会社は、求職者からどのように見られるでしょう・・・。一社労士としては、できる限り今後の採用でほしい人材を採用していただきたいと思いますし、ましてや労使トラブルも発生させてほしくないと思っております。
 わかりやすい動画(7分程度です)を作成しましたので、お忙しいとは承知しておりますが是非ご覧ください。
   労働条件明示ルールの変更について(令和6年4月1日~) 
(特典の法改正対応版雇用契約書雛形は顧問先様限定です。)

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