コラム

パワハラ問題から考える「価値観の変化」

最近、パワハラに関する相談が立て続けにありました。

『パワハラ』という言葉も一般化していますがなかなかいいイメージはないかと思います。

ではひと昔前ではどうであったか。

おそらくさほど問題にならないケースも多かったではないでしょうか。。

もう少しつっこんで言うと『その時代』では多くのケースがそもそも問題ですらありませんでした。

ただ時代とともに『その価値観が変わってきた』というのが正しい認識なのだと思います。

約20年前、私自身社会人になりたての頃、『パワハラ』『セクハラ』という言葉もありませんでした。

根性を鍛えるという意味であれば「いわゆる厳しい指導」はプラスの価値観が一般的でした。

自分自身、どんな理不尽なことをされても言われても自分が悪いんだ、甘いんだと納得していたような気がします。

それは「学校」「部活動」「スポーツ」でも例外ではありませんでした。

価値観の変化は「2020年現在」以降も同じことが当たり前のように起こるということです。

特に今年は「新型コロナウィルス」の影響でいままでの価値観は急激に変化している真っ只中です。

これからも価値観は変わっていくものであり続けるものだろうなとあらためて感じます。

つまり、仕事における価値観の変化にも対応していくことは今まで以上に経営課題と言えるかもしれません。

※話は逸れますが職場でたばこを吸うことも当たり前という価値観でした。
ちなみに私も職場でぱかぱかたばこを吸っていました。。(今は禁煙しましたが)

では前置きが長々となりましたが本題です。

●「パワハラ防止法」

2020年6月(中小企業では2022年4月から)施行されている「パワハラ防止法」をご存じでしょうか。

企業に対してパワハラ防止のために雇用管理上必要な措置を講じることが義務化されることになります。

今後企業としても取り組んでいくべき課題とも言えます。

『パワハラ』を通して今日本の多くの会社が抱える課題を考えてみたいと思います。

●そもそもパワハラとはなにか???

法律的な定義は明確にはないものの厚生労働省が示す基準はあります。

①職場内での優位性を利用して
②業務の適正範囲を超えた叱責や嫌がらせ
で精神的・身体的に苦痛与える又は職場環境を悪化させる行為

そんなことを考えているとつい話題のドラマ「半沢直樹」を思い浮かべます。

ドラマを見ている方ならおわかりのようにまさにパワハラのオンパレードです。

ただそのパワハラがひどければひどいほど「倍返し」でスカッとするのでしょうが・・。

当の『半沢直樹』自身もパワハラっぽいふるまいもあるのですが、自分よりも強い立場に立ち向かっていってるのではパワハラではないことになります。
※ただし立場的に上司であったとしても日頃から精神的に優位な立場であれば立場関係なくパワハラになり得ます。(逆パワハラ)
ですので『職場内での優位性』と表現しています。

●あらためてパワハラ『問題』とはなにか???

あきらかに「パワハラ」にあたる行為(暴力、いじめ、集団無視、ひどい人格否定等)はまず完全にアウトなので論外だとします。

※そういうことが許されている職場であれば特に優秀な労働者はさっさと逃げてしまうでしょう・・。

今回はハラスメント研修を受けたりして頭では理解しているつもりでもいつのまにか加害者となっているケースを考えてみます。

このようなあいまいなハラスメント問題における論点はやはり

『信頼関係を構築できているかどうか』

だと考えています。

ハラスメント全般に言えることですが『相手がどう受け取るか』が重要となってきます。

同じ言動であったとしても結果が違ってくることになります。

ここにパワハラだけでなく「ハラスメント」問題全般の難しさがあります。

人間ですので好き嫌いや相性もあり、実はレベルの高いコミュニケーション能力を問われる課題でもあるのです。

「これがパワハラなのか?」の主張として

・不注意のミスにより、お客様に迷惑をかけてしまったことに対する厳しい叱責に対して
・相手の成長を願っての厳しい指摘
・優秀な部下に仕事が集めてしまう
・優秀な部下から立場的に弱そうな上司への強い言葉での要求

誰にでも思い当たりそうなものは意外と多いように思います。

●「主体的」に考えてみることが大切

なぜパワハラ問題に発展するのか今回は加害者(主に上司)の視点で『主体的に』考えてみます。
(※『主体的に』とは原因が外ではなく、内にあるとの考え方です。)

つまり「相手がおおげさなんだ」という結論を安易に出さず、
(※そういう事案も多いことがハラスメント問題で難しいところです。)

なぜそういうことが起こったのかを主体的に推察してみるということです。

・日頃の関係性やコミュニケーションはとれていたか
・言い方や態度はどうであったか
・忙しいこともあり、つい高圧的に接することがなかったか
・感情のはけ口になっていないか
・叱るタイミング、場所は配慮すべきことはなかったか

まずは自分自身の立ち振る舞いを意識することから始めます。

●問題解決のために必要なスキルとアクションプランを考える

【メタ認知能力】
自分のことを客観的にみる能力のことを『メタ認知能力』といいます。
つまり自分をコントロールをするための能力です。
この能力を高めることで自分自身の言動を冷静に判断し、その場に応じた対応を意識的に選択することができるようになります。

■能力を高めるアクションプラン
・常日頃から頭の中で自分自身が今どういう感情でいるのか実況をしてみる。(特に感情的になったときは訓練のチャンスです!)
・1日のうち5分でも振り返りの時間を作る(マインドフルネス等)

【ストローク】
相手の存在や価値を認めるための言動のことを交流分析学的に『ストローク』といいます。
「こころの栄養素」とも呼ばれます。
体にも栄養が必要なようにこころにも栄養を必要としています。
励ます、あいさつをする、傾聴、笑顔での声掛けなどの行為によってプラスのコミュニケーションをとることをいいます。
※反対に無視、むすっとした態度、高圧的な態度などを『マイナスのストローク』と言います。

注目されがちである「褒める」「叱る」はいわゆる特別なイベントです。
「褒める」「叱る」のちからを効果的に発揮するためにはどうすればいいか
それが相手の存在を認める土台となる『日常』です。
日頃からどれだけそのひとに関心を寄せているかによっては例えば叱るといったマイナスのストロークの受け止め方も違ったものになります。

最近注目を集めている「NIZIU」というアイドルグループをご存知でしょうか。プロデューサーであるJ.Y.Park氏は『若い子たちと対峙する上で何を一番心掛けているか』との問いに、こう答えています。
「褒めるのもしかるのもどっちも(その)人について、しっかり知っていることが一番大切だと思います。しっかり知らないで、評価をしたら効果が全然ないです。だから、始まりは人についての関心と愛だと思います」

■能力を高めるアクションプラン
・出社時、退職時なんでもいいのでプラスのストロークで声をかける
・たとえ意見が違っても関心をもって話を聴く姿勢でいる
・結果だけでなく努力のプロセスを見逃さずに伝える
・小さな変化を見逃さず伝えてみる

●最後に
まずはだれのための言動なのかを認識することから始めてはいかがでしょうか。
自分の感情や意思を通したいための言動か
相手の成長を支援するための言動か
そしてコミュニケーションのスキルを高めることで自分事としてとらえることがポイントです。
ハラスメントの課題に取り組むことは、上司、部下そして会社の成長にも繋がるのではないかと考えるのです。

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