コラム

定額残業代について

労働基準法で1日8時間と労働時間が定められており、この時間以上働かせる場合はその法定外の労働時間に対して、2割5分以上の割増賃金を支払うように定められています。通常はその時間外労働に対して割増賃金を支払う方法をとる企業が多いかと思います。ただ、中には定額残業代を支払う企業もあります。定額残業代は必ずしも違法であるとは言えないとの判例もありますが、テックジャパン事件の櫻井裁判官の補足意見(最高裁H24.3.8)もあり、場合によっては違法となる可能性がある為注意が必要です。

まず、定額残業代を支払う方法を採用する場合はその旨を就業規則などに定めておく必要があり、雇用契約書にも明示が必要です。また、下記の①~③の要件を満たしておくことも重要でしょう。

①残業代に相当する部分が通常の賃金と明確に分けられていること。
②何時間分の労働に対する残業代になるのかを定めておくこと。
③定額残業代に相当する時間分を超えて労働した場合は、その分は別途残業代を支払うこと。
④給与明細書にも通常の労働時間と定額残業代を分けて明示すること。

これらの条件をみたすことで、定額残業代を支払う方法を採用していても、違法となる可能性は低くなるでしょう。しかし、上記のような方法がとられないまま、定額残業代を支払う方法を採用している企業が多いと思われます。このような場合、万が一労働者からの訴えがあれば、未払いの割増賃金を2年間遡及して支払うこととなり、企業にとって莫大な損失を被ることが考えられます。日頃から上記に記載したような万全の体制をとられるのが良いでしょう。

藤川 恭子

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